「働く気持ちに火をつける  ミッション、パッション、ハイテンション!」斎藤孝著を読んで

 梅田さんのウェブブック「生きるための水が湧くような思考」の中で、「働く気持ちに火をつける  ミッション、パッション、ハイテンション!」斎藤孝著を紹介していた。梅田さんが解説を書いていたので読んでみた。その感想を書いてみようと思う。

 「1、ミッション感覚を呼び覚ます」の「(1)ミッション感覚で着火する」の中で斎藤さんは

 ミッション感覚を鋭敏にするためには、まず伝記を読むことを勧めたい。  (p48)

 と述べている。伝記を読むことにより大人物の仕事のスタイルを模倣するようになり、仕事が楽しくなってくるそうだ。あまり伝記というものにはここ最近というもの縁がなかったが、なにか興味のある人物の伝記を今度読んでみようと思う。


 「1、ミッション感覚を呼びさます」の「(2)ミッションを分かち合う」の中で斎藤さんは

 松下幸之助は話をしてもその二分の一くらいは取りこぼすものだと言っている。だからみんなに伝えたいと思えば、一回話して終わりにするのではなく、繰り返し言うことが重要なのだ。 (p88〜p89)

 と松下幸之助の話をあげている。また、その際に語るだけではなく、張り紙などを使って目にする状況をつくるのもいい、と述べている。私などは張り紙ということは、あまり今まで使用しなかった。なぜかといえば、話をして伝わらないのだから、張り紙などしても伝わるはずがないと思っていたからだ。張り紙自体をバカにしていたわけだ。でも効果があるというのならば、今度張り紙をして効果測定をしてみようと思う。
 また、その際にその伝えることが社会のためになることを示すことが肝心となるそうだ。

 「1、ミッション感覚を呼び覚ます」の「(3)、ミッションを支える職人気質」の中で斎藤さんは

 しかし、あえて「私たちのスタンスは職人だ。納期は守ります。一定のクオリティは保証します」という精神で働く。芸術的な完璧さは目指さないが、駄作もつくらない。一定水準は絶対に超えるぞという意識。それが職人の心意気というものだ。  (p101)

 と述べている。このへんの心意気がもてるようになれば、仕事も面白くなってくるに違いない。


 「2、不愉快な体験をパワーに変えるパッション力」の「(3)反転する力」の中で斎藤さんは

 とんでもない事態が降ってきたときは、「受難」とつぶやきながら頭を下げる。
 大目玉を食らっているとき、または人から面と向かって嫌なことを言われている最中に、声に出すのははばかられるので、心の中でつぶやけばいい。とりあえず頭を下げつつ、この「受難」という言葉を噛みしめていると、その間にふつふつとエネルギーが湧き上がってくる。
 そして、一呼吸おいて、「情熱」とつぶやきながら頭を下げる。この溜めがほしい。
 この「受難、情熱」おじぎは、何年がかりの受難のパッション化を、一瞬にして軽いレベルで行えるという型である。最近いろいろな講演会でやってみてもらっているが、非常に好評だ。  (p159〜p160)

 と述べている。とても面白い内容だ。「受難」な時はぜひ試してみよう。


 「3、ハイテンションでポジションを獲得する」の「(1)仕事の原則」の中で斎藤さんは

 井深大は『わが本田宗一郎』(ワック)の中で、「ネアカの大将と出会って四十年」と、その人柄を思い返している。

  本田さんは、「ネアカの大将」という言葉がピッタリの人で、ふだん冗談ばかりとばしています。どんな席でも、本田さんがひとりいると、座がパット 明るくなる。
 好きなお酒がはいると、ますます冗談が冴えてくる・・・・・(中略)

 井深大はどちらかというと無口な人だったようだが、異常なほどのテンションの高さは両者に共通している。
 というのも、井深は幼児教育に並々ならぬ熱意のあった人で、ソニーで成功して得たお金の多くを教育に捧げている。彼には、子供たちの才能を開花させて、充実した人生を送らせてあげたいという志があった。やるならゆるゆるとやっていてもしようがないと、スピーディーに幼児英才教育を立ち上げた。
 いまやれることはすぐやってしまう。そのテンポのよさが、人を引き付けていく魅力になっていたのだ。(p176〜p178)

 と述べている。「ハイテンション」と「いまやれることはすぐやってしまう」、いずれも仕事のできる人の1つの要素となっていると思う。「幼児教育」に熱意があるということも、日本の将来を見据えての行動であるに違いない。


 この本の最初に「ミッション」「パッション」「ハイテンション」という言葉が次のように掲載されている。

 MISSION    出会ったものに触発されて「私の使命」と高める技
 PASSION     ネガティブ体験を情熱へと反転する技
 Hi−TENSION   ハイテンションな体でポジションをゲットする技

 私が「働く呪文」と名づけたこの三つの合言葉は、心身に火をつける協力な技だ。
 働くことが何十倍も楽しくまり、本物の仕事力が確実に身につくメソッドだ。
 いつでも、誰でも習得できるこの技で、喜びに満ちた時間を味わってみてほしい。

 仕事がつまらない、だるい、すぐに疲れる、そんな時に「ミッション」「パッション」「ハイテンション」と私も叫ぶことにしよう。
 以前に斎藤孝さんの著作物は好きでよく読んでいた。しかし、ある時からどんな理由だったか忘れたがまったく読まなくなった。久々に斎藤さんの著作物を読んでみたわけだが、非常に面白かった。