保坂和志の小説「世界の奏でる音楽」

 保坂和志の小説「世界の奏でる音楽」の中の文章を梅田望夫さんが「はてなハイク」にのせていたので紹介する。

批判は知的な行為ではない。批判はこちら側が一つか二つだけの限られた読み方の方法論や流儀を持っていれば簡単にできる。本当の知的行為というのは自分がすでに持っている読み方の流儀を捨てていくこと、新しく出合った小説を読むために自分をそっちに投げ出してゆくこと、だから考えるというのは批判することではなくて信じること。そこに書かれていることを、真に受けることだ。(「小説、世界の奏でる音楽」p10)

 「だから考えるというのは批判することではなくて信じること。そこに書かれていることを、真に受けることだ。」という部分が特にいい。興味が湧いたので保坂和志の作品を一度読んでみようと思う。