「ウェブ時代5つの定理」梅田望夫著を再読して 5

 「ウェブ時代5つの定理」梅田望夫著を再読しての感想と気になった言葉を書いてみる。

第5定理大人の流儀

 良い人々がより良く振舞えるようにする環境づくりを、
 本気で考えなければならないと思う。
 同時にネガティブな人々のもたらす影響を弱めて
 小さくすることも重要だ。  ピエール・オミディア  (p231)

 という言葉を梅田さんはあげ

 ウィキペディアをはじめ、ウェブ上のさまざまなプロジェクトやサービスには、不特定多数の人間の善性を信頼し合わなければ成り立たないものが多くあります。もちろん悪意を持った人も一定数はいる。でも、ネガティブな人のやることのインパクトをできるだけ小さくして、良い人がより良く振舞える環境を整えていく。そういうシステム設計をネットの上でしていけばよいのだと、eベイ創業者ピエール・オミディアは提案するわけです。  (p231)

 と述べている。この提案はとても参考になる。とかくネガティブな人のもたらす影響に振り回されて、物事がおかしな方向に進むことが往々にしてある。そのような時には良い人々の方に目を向ければいいにだということがこの言葉からわかるような気がする。

 エリック(・シュミット)は新しいゲームをプレーするために、
 自分の振る舞いを完全に変えた。エリックほどの成功者であれば、
 自分は万事心得ていると考えても許されるだろう。グーグルにやって来て、
 おい青二才、俺がやり方を教えてやるよ、と彼が言ったって許されたはずだ。
 そうではなく、彼は聞いた。そした観察した。
 何が起きているのかを見極めた。
 自分がこれまでうまくやってきたことのうち、
 どの部分がグーグルをより良くするか、見極めたのだ。
 グーグルのオリジナルチームがやってきたどの部分が
 彼自身(エリック)をより良くするか、見極めたのだ。
 これがマンジメントの極意だ。  ロジャー・マクナミー  (p248)

 という言葉を梅田さんはあげ

 私もはてなの取締役になって以来、この言葉を思い返しては自戒しています。  (p250)

 と述べている。私もこの言葉を常に心の中において自戒していこうと思う。

 君たちの時間は限られている。
 その時間を、他のだれかの人生を生きることで無駄遣いしてはいけない。
 ドグマにとらわれてはいけない。
 それでは他人の思考の結果とともに生きることになる。
 他人の意見の雑音で、自分の内なる声を掻き消してはいけない。
 最も重要なことは、君たちの心や直感に従う勇気を持つことだ。
 心や直感は、君たちが本当になりたいものが何かを、
 もうとうの昔に知っているものだ。
 だからそれ以外のことは全て二の次でいい。  スティーブ・ジョブズ  (p256)

 偉大な仕事をする唯一の方法は、あなたがすることを愛することだ。
 まだ見つかっていないなら探し続けろ。落ち着いちゃいけない。
 まさに恋愛と同じで、見つかればすぐにそれとわかる。
 そして素晴らしい人間関係と同じで、年を重ねるごとにもっとよくなる。
 だから見つかるまで探し続けろ。探すのをやめてはいけない。  スティーブ・ジョブズ  (p257)

 自分がやらない限り世に起こらないことを私はやる。  ビル・ジョイ  (p259)

 という3つの言葉をこの第5定理の最後で書きしるしている。非常に素晴らしい言葉であり、まったくその通りだと思う。また、梅田さんはこのジョブズの言葉に興味があったら、この言葉を発した講演録を読むよう進めている。時間をとってぜひ読んでみようと思う。

あとがき  私の最終定理

 私自身もこれからは本書を座右に置き、歳を重ねるごとに押し寄せてくる「守りに入る誘惑」に抗していきたいと思っています。  (p263)

 と述べておりますが、ここ最近特に「守り」に入っている私も「攻め」を忘れずにしていきたいと思う。