「ウェブ時代5つの定理」梅田望夫著を再読して 4

「ウェブ時代5つの定理」梅田望夫著を再読しての感想と気になった言葉を書いてみる。

第4定理グーグリネス

 「一から命令してほしいなら、海兵隊に行けばいい。」  エリック・シュミット  (p205)

 という言葉がおもしろい。今までの中で仕事をしてきた中で、このようなニュアンスの言葉を相手に言いたくなった場面がよくあったような気がする。また、私は一から命令されことはあまり好きではなく、自分が納得しなければテコでも動かないほうだ。そのため非常にこの言葉が好きであるのかもしれない。                                     

 会社は答えによってではなく、質問によって運営している。(中略)
 ずばりその通りの答えを提示するのではなく、
 質問することによって会話が刺激される。
 会話からイノベーションが生まれる。
 イノベーションというものは、ある日起きて
 「私はイノベートしたい」と言って生まれるようなものじゃない。
 質問して問うことで、よりイノベーティブなカルチャーが生まれるのだ。  エリック・シュミット  (p208)

 という言葉を梅田さんはあげ

 この「質問によって会社を運営する」という考え方は「一からすべて命令してほしいなら、海兵隊に行けばいい(「グーグルはその反対だ」が真意)」という先ほどの言葉を実践するものです。「ずばりその通りの答え」とはまさに命令のことです。海兵隊や多くの「普通の会社は」では当たり前の「決まったことについては、有無を言わせず実行させる」のをグーグルは徹底的に嫌うわけです。
 命令に落とせば誰もものを考えなくなる。そうではなく質問する。そうすればみんなが考えるようになり、会話が生まれ、そこからイノベーションが生まれる。シュミットはこう言うわけです。  (p209)

 と述べている。まさにその通り、この考え方の方が絶対いいと思う。

 ミスを犯してくれて大変嬉しい。
 「あまりに慎重でほとんど何もしない」のではなく、
 「迅速に動き、たくさんのことをする」会社を私は経営したい。
 もしこうしたミスをまったく犯さないとすれば、
 私たちは十分なリスクを取っていないことになる。  ラリー・ページ  (p213)

 という言葉を梅田さんはあげ

 大企業になれば、失うものも多くなります。試行錯誤もいいけれど、失敗したときの代償も大きくなるわけです。それがきっかけでみな、大きな会社にになると「普通の会社」になっていきます。こうしたストーリーをあえて雑誌に後悔していくことで、グーグルは、会社が大きくなっても「普通の会社」にならず、社員がどんどん大胆な挑戦をし続けられるようトップが腐心しているのだと思います。  (p214)

 と述べている。「社員が大胆な挑戦」ができる風土が会社の中にあるということは、とても必要なことではないかと思う。それにしても「ミスを犯してくれて大変嬉しい」とはふとっぱらな会社である。

 ウェブ時代の最先端領域を全速力で疾走するグーグルの経営や組織や文化を、特に他の業種で事業を営む人たちがそのまま持ち込む必要はありません。しかし、その発想の根底に流れる合理的なものの考え方、ネットを経営の新しい武器として使いこなす取り組みに数々、「頭脳の拡張」の時代にこそ重要な個の自発性の重視などは、ビジネスに関わるありとあらゆる人たちにとっての「新しい目標」になると思います。  (p218)

 と第4定理の最後に述べている。このことを日々実践していこうと思う。