「ウェブ時代5つの定理」梅田望夫著を再読して 2
「ウエブ時代5つの定理」を再読しての感想と心に残った言葉を書いてみる。
第2定理チーム力
「チーム力」とは、「異分野のその道のプロ」が組むことで相乗効果をたたき出す「プロフェッショナルチーム」のことを意味します。 (p72)
と述べている。これがまさにチームの理想であると思う。
また、渡辺誠一郎さんのアメリカCEOについての感想として
アメリカのCEOというのは、一流の人であればあるほど、会社の細部までを驚くほど深く完全に掌握するものです。そしてその上で会社全体のプライオリティー付けをリアルタイムで迷わず行っていく。うまくいっているプロジェクトでも戦略性に合致しなければ容赦なく切っていく。CEOというのは本当に特殊な職業です。私にはとてもできない。CEOを目指して一生懸命努力研鑽した人たちの中のほんの数パーセントが、トラックレコード(成功の履歴)を積み上げていく。そんな彼らの経営者としての鍛えられ方は半端じゃないからです」(『フォーサイト』誌二〇〇二年十一号) (p82)
と述べている。アメリカのCEOとはすごい。これぞプロという感じがした。
チームワークは木のようなもの。
コミュニケーションが幹の部分を形成し、
根っこ部分には、お互いの尊敬と
共通の目標の認識がなくてはならない。 ゴードン・ベル (p83)
という言葉があるが、これは重要な言葉である。尊敬と共通の目標の認識、日本オリンピック代表女子ソフトボールもこれを強く持っていたそうである。目標は金メダルを取ること、そして日本中のソフトボールをやっている子どもたちに夢を与えることを目的とししていたそうだ。結果として金メダルとった。この言葉はまさにそういうことを表現しているのだと思う。
好きな人と働かなければならない。 ロジャー・マクナミー (p85)
という言葉があるが、私もそう思う。日本にどれくらいこういう環境に自分をおいているかとというと、そんなに多くはないと思う。「好きな人と働くこと」にどれだけ自分をもっていけるかが重要なことであると思う。
Aクラスの人は、Aクラスの人と一緒に仕事をしたがる。
Bクラスの人は、Cクラスの人とを採用したがる。 シリコンバレーの格言 (p93)
の言葉をあげて
Aクラスの人は、仕事を楽しくするために、自分を向上させていくために、自分より優れた人と一緒に働きたいと考えますが、Bクラスの人は、実力に不安があるから自分よりも劣った人を採用したがる、という意味です。 (p93)
と述べているが、なるほどと思う。あまり今までの私の頭の中にはない発想である。参考になる。
シリコンバレーの物語は、昔から変わらない。
小さなチームが、限られた資源で、驚くようなことをなしとげるんだ。
時にベンチャーキャピタリストの支援を得て、
すごい会社をつくり上げるんだ。 エリック・シュミット (p97)
という言葉をあげ
人事部主導で新卒を一括採用し、本人の意志と関係なく勝手に配属先を振り分けるという日本企業のシステムはもはや完全に制度疲労を起こしていると思います。新卒で入った社員の中にすぐに辞める人が増えていると聞きますが、問題は明らかに企業側にあります。自分の意志とも労働意欲とも関係なく、勝手にある部署に配属されて、行ってみたら到底尊敬なんかできそうにない奴が上司で、興味の持てない仕事をやらされているというのは、いくらそれが社会的に知名度がある会社であっても、やりきれないでしょう。飛び出したくなるほうが当たり前だと、私は若者たたちに共感します。 (p99)
と述べている。私はシリコンバレーと日本の企業の違いを鋭く述べていると思うし、その通りであるとも思う。少しづつ日本の企業が変化することを期待していきたいと思う。
という言葉をあげ
トップ層のチームからして「行動重視」の人たちばかりでないと駄目だという言葉です。 (p100)
と言葉の意味を述べている。この「行動重視」というところがポイントで大切なのであると感じた。
また、次のようにも梅田さんは述べている。
誰かを探す間に自分がやれば終わりというような仕事は、気付いた人が片付けて、先へ走っていかなければならないのです。(p101)
自分の行動を振り返ってみて、非常に反省させられた。時々誰かを探すクセが私にはしみついているかもしれない。明日からも行動を直すよう心がけよう。
政治的になるな、データを使え。 マリッサ・メイヤー (p104)
という言葉がある。データ重視、データ重視といいながら政治力がおうおうにして働く、自分の行動に気をつけたいと思う。
自分の志向性にぴったりと合った領域を発見し、そこで徹底的に自助努力をして、その道のプロになる。そしてAクラスのプロ同士がお互いに尊敬し信頼し認め合い、ケミストリーの合うメンバーで一体感を持ち、チームでスポーツするように一緒に仕事をする
そんな「楽しい」「仕事の世界」が日本にも増えてくるといい。 (p112)
と述べている。日本の将来がこのような方向に動いていくよう、一個人として何かをやっていきたいと思う。