『ふるさとの生活』宮本常一著を読んで

そしてまた、食物などもけっしてほんとうに身につくように工夫してたべてはいません。それには、台所がもっと便利になり、栄養についての知識もも大切になってきます。ところで、何より大切なのは、こんなにして村をよくしてゆくためには、たくさんのお金がかかることです。それは一人で出せるものではなく、みんなで力をあわせてやってゆかなければなりませんし、みんなで勉強もしなければなりません。そういうことは、長い歴史をふりかえって見てもわかっていることです。
村を、今日のようにするためにかたむけた先祖の努力は、たいへんなものであったと思います。その努力の中にこそ、のこる歴史があったのでした。私たちは、いつでもその人たちの前進しつづけた足おとがきけるような耳と、その姿の見えるような目を持ちたいものです。  (p223〜p224)

最後に著者はこう述べています。特に「いつでもその人たちの前進しつづけた足おとがきけるような耳と、その姿の見えるような目を持ちたいものです」という部分。これを私も持ちたいと思います。
この著書は日本の過去の震災のことにも触れていました。とても考えさせられる著書に私の中ではなりました。

ふるさとの生活 (講談社学術文庫)

ふるさとの生活 (講談社学術文庫)