『ほぼ日刊イトイ新聞ーテレビと落とし穴と未来と。』を読んで

糸井

登場人物の中で
いちばん大人っぽいのは、その親父ですね。
吉本

そうなんです。
それでぼくはまた「へぇ」と思いました。
専門というのはちがうものだなと思ってね。
一日貸したから、いくらくれとか、
そういうふうに言ったら、
ただの中小企業ですよね。

 これは2008年12月30日にアップされた「(7)高村光太郎のペンギン」という記事である。これは上野の骨董屋さんがからんだ話であるが、なかなか面白い。高村光太郎の木彫であるかどうか吉村さんが骨董屋から一日だけ持ちだして、結局偽者であることが判明し、約束どうり骨董屋に返した。とろが骨董屋の親父は吉本さんから一銭も金をとらなかった、という話である。
 ペンギンの持ち出しを許可し、あげくのはてに金を取らなかった骨董屋の親父は、たいしたもんだし太っ腹である。
 それで「いちばん大人っぽいのは、その親父ですね」となるわけである。