『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』村上春樹著を読んで

自由を奪われた人間は必ず誰かを憎むようになります。 (p66)

そう思う。

「おれが会社勤めからもうひとつ学んだのは、世の中の大抵の人間は、他人から命令を受け、それに従うことにとくに抵抗を感じていないということだ。むしろ人から命令されることに喜びさえ覚えている。むろん文句は言うが、それは本気じゃない。ただ習慣的にぶつぶつこぼしているだけだ。自分の頭でものを考えろ、責任をもって判断しろと言われると、彼らは混乱する。じゃあ、そいつをビジネスにすればいいじゃないかとおれは考えた。簡単なことだ。わかるか?」 (p086)

あたっている。

「記憶を隠すことはできても、歴史は変えることはできない」 (p193)

そうなのかもしれない。

いっきに読んでしまったが、なにかものたりない。前作となにか違う。レクサスの営業マンとコンサルタント会社の社長がとても興味深く感じた。

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年